100%天ぷら油で走る『天ぷらカー』

2009年3月、当時乗っていたハイエースに2タンク式wvoシステムを自作で組み、天ぷら生活が始まる
片側交互通行のバイパス内でのエンストを始め、さまざまな止まっちゃいけない場所でのエンストを経験しながらも、全国に散らばる猛者たちとの情報交換の末に天ぷらカー界 全体の技術が成熟。
現在、1tトラック、ハイエース、トラクター、ホイルローダー、溶接機などを天ぷら油で動かしながら快適に暮らすかたわら、冬場はwvoシステムのビルダーとして、車両改造も請け負い中。

天ぷらカーへ乗りたい、自分の車を天ぷらカーにしたいという方、そして乗ることはできないけれど興味があるという方へ向けた、天ぷらカーの技術的ページになります。

本気で車両の改造を委託したい方は、ご一報ください。

どうして天ぷら油で車が動くのか。

エンジンには、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとロータリーエンジン、、などがありますが、天ぷら油で動くのはディーゼルエンジンだけです。
Wikipediaにもかいてあるけど、ディーゼルエンジンはドイツのディーゼルさんが安価な重油やピーナッツオイルでも動力を得れるよう開発したエンジンなんだそうです。
つまり、そもそもディーゼルエンジンの始まりは植物油でも動かすことを目的としてつくられたわけで、天ぷら油でディーゼル車が動くことはじつは不思議なことではないのです。
ドイツの車メーカーのフォルクスワーゲンは、新車につく保証の対象が植物油使用時も認められてると聞いたこともあります。


しかし、一言で植物油といっても何から絞った油かによっても油の性格は違うし、搾りたてのバージンオイルと揚げ物などで使い倒した廃食油では、元が同じ油でも何を揚げたかによっては全くの別物になることもあります。


我々が使っているのは、様々な種類の油と様々な使われ方をしたモノがごちゃ混ぜになった『廃食油』であるため、近所から集めてきた廃食油の下処理やその後の『濾過』がとても大切な行程となります。
そして、車の方にも廃食油を使用するにあたっていくつかの部品を組み込まなくてはいけません。
車の改造と油の濾過に関してはもう少し詳しくあとで説明したいと思います。


なぜ、車に改造が必要かというと、現状日本で作られてるエンジンは、安価で大量に流通している化石燃料の使用のみをベースに作られているため、当然植物油の使用に関しては想定外の仕様です。
サラダ油などの低温でもかたまりにくい油で、かつ未使用(バージンオイル)であれば無改造で使える可能性もあると思います。
が、我々は飲食店や家庭の揚げ物で使い終えて、本来なら捨てられてるはずの『廃食油』で一年を通して車を動かしたいのです。
廃食油を使用して車を継続的に動かしていくために、何点かの部品を組みこんだシステムを車に組んでやる必要があるのです。

よし、ウチも天ぷらカーに乗ろう! と思い立っても、どこのメーカーや車屋さんに持っていっても 何それ、知らないけどやめときな。 と言われるはずです。

そのため日本で天ぷらカーに乗るためには、数少ない天ぷらカービルダーに依頼するか、エンジンや車の構造を理解して、自分自身でシステムを組む必要があります。
改造費用は頼む人によっても異なると思いますが、部品代と施工費あわせて20万円〜あたりが相場なのかなと思っています。

システムとしては、廃食油用の『サブタンク』を設置して『燃料切り替え弁』をつけ、朝一の始動は軽油でエンジンをかけます。
車が温まったら廃食油に切り替え、『熱交換器』を通って温まった廃食油が廃食油ラインに設置した『燃料フィルター』をとおってエンジンへと入ります。
1日の終わりに、軽油へ切り替えて配管内とエンジン内を軽油でクリーニングするイメージで廃食油と切り替えます。
こうすることで、寒い冬の早朝でもエンジンの始動がスムーズに行えるのです。

ディーゼルエンジンはピストンで圧縮され高温になった空気に燃料を噴射して自然発火させる仕組みのため、廃食油のままで一晩放置してエンジンが冷え切ってしまうと、粘度の高い廃食油ではエンジン内で燃料が綺麗な霧状に噴射できないために、エンジンがかからなくなってしまいます。
このため、2タンク式wvoシステムの場合は、軽油で始動して軽油でエンジンを切るという乗り方をする事で、どんな状況にも対応して継続的に天ぷら油を燃料として乗り続けれることを可能としました。





天ぷらカーにするために取り付ける、4つの部品

1 熱交換器

赤フィルター

エンジン冷却用のクーラントの熱を利用して、天ぷら油を温めるためのシステム。
軽油と廃食油の違いは、大雑把にいうと粘度の違い。
廃食油を温めてサラサラにしてやれば、軽油と同じようにエンジンで燃焼してくれる。
燃料フィルターとの一体式なので、部品を設置するスペースの少ない車両には有難い。

フィルター内部が目視で確認できないため、詰まった場合に使用している油の状態のチェックができない。


通称『赤フィルター』

自作可能な熱交換器

千葉県のやまのさんという方が発明されて、作り方も公開してくださったおかげで 誰でも水道用品で熱交換器が自作できるようになりました。
通称 『やまの式』

タンクからエンジンに引っ張りながら温めることができるので、とても素晴らしいシステム。
組むのに少し技術と知識が必要。

2 燃料切り替え弁

6port

軽油と天ぷら油を切り替えるための部品『6port』。
海外から個人輸入しなくては手に入らず、スイッチと本体の電気配線の接続が少し手間だけど、とても便利。

製品の品質にムラがあり、すぐ壊れるものもあるのが怖い。
修理可能、当サイトのブログ参照。

ハイエースの6portのスイッチと、wvo時に点灯するランプ。

自作、燃料切り替え装置。

これまた水道用品で自作できる。大阪の和田さんが作った車をヒントにアレンジしたもの。
シンプルで壊れなく、見た目にわかりやすいことが最大のメリット。
メインとリターンのタイムラグが任意に行えることも使い勝手としてとても良かったです。

デメリットとしては、車検時には燃料ホースが車内にむき出しになっていてはいけないことへの対応と、3人乗りで登録してある車両では真ん中の足元のスペース不足で車検に不対応であること。
初代ボンゴは二人乗り登録のためこのシステム、2台目ボンゴは三人乗り登録のため6port。

CKDの電磁3方弁を二個使用スタイル

周防大島の本庄さんに教えてもらい友人の車に組んだシステム。
機種によって当たりハズレが顕著で、ハズレをひくと故障がわりとおこる6portに対して、安心の日本製の信頼度。

発進時の加速が悪くなったとの報告あり。
オリフィス系が狭いことから、大型エンジンに使用する場合は、燃料の流量不足の懸念がある。

電磁弁を2個つけると、スイッチも二個必要になるのでこのスタイルに。
メインとリターンのタイムラグが任意に行えるメリットがある。

3 WVOラインの燃料フィルター

重機のフィルター

ヤンマー、クボタの大型重機用のフィルターを流用。
社外品を選べばエレメントがとても安く、カップの外側から目視でゴミや詰まりを確認できるので、『やまの式』を組むときはセットで毎回これを使用。

燃料フィルターとセットの『赤フィルター』を組む場合は、必要ない。

4 サブタンク

ハイエースの燃料タンク

ハイエースに積んであるFRPの100Lタンク。
燃料メーターも取り付けてある。

ボンゴトラックのタンク。

スクラップでこの車両のと同じタンクを買ってきて、バッテリーをズラしてスペアタイヤを外して設置。
燃料メーターも設置。

一番シンプルでスタンダードなポリタンク

荷室に天ぷら油の入ったポリタンクを並べれば、150〜200kmに一回休憩がてらポリタンクを交換することで遠出もスムーズに可能です。
普段使いはコンパクトな仕様で使え、傷んだらいつでも簡単に入れ替えれる為、意外と便利。

あったら便利、燃料メーター

WVOタンクが目の前にあれば必要ありませんが、目の届かないところにあるならば fuel meterはあると重宝します。

写真はボンゴトラックの燃料メーター。

天ぷらカーに乗るためには、まずシステムを理解することから。



基本的に、天ぷら油で車を動かす為に必要な最低限の部品は以上の4点になります。
燃料メーターはオマケです、なくても動きます。でも、大きなタンクを積んでる場合はあったらとても便利です。

どんな車に、どの部品を、どんな仕様で、どこに組み込むかなど、何をチョイスしてどんな車を作るかが オーナーであったりビルダーの工夫のしどころになりますし、それぞれのカーライフによってベストな仕様は異なります。



我が家での天ぷらカーのワークショップや製作記録は 当サイトのブログのリンクで紹介していますので、そちらの方をご覧ください。



ワークショップに参加していただき、ブログを読みながら自身でWVO化された方も何名かいらっしゃいます。
我が家の発信が意味をなした結果であり、とても嬉しいです。

廃食油の濾過



本気で天ぷらカーに取り組みたい方には、冬季限定にはなりますが 力になります。
お友達の天ぷらカービルダーを紹介することもできます。
ご相談ください。

powered by crayon(クレヨン)